
デジタル領域で東急を支援
東急株式会社

2022年に創業100周年を迎えた東急株式会社さまは、鉄道事業を基盤とした「街づくり」を根幹に置きつつ、人々の日々の生活に密着したさまざまな領域で事業を展開しています。特に近年のデジタル化の流れの中では、長年にわたり蓄積している「リアルな場での街づくり」の知見と「デジタル」を融合させた持続可能な街づくりの実現に向け、新規事業開発に積極的に取り組んでいます。
街の「今」を作るアプリ
「common」は、街への貢献の場を通じてご近所さんとの共助関係を生み出し、より良い街をみんなでつくるサービスです。以下の2つの機能をメインに提供しています。
・街の情報や、困りごと・相談を共有する「投稿機能」
・ご近所さんと不要品を譲り合う「譲渡機能」
これらの機能によって街の状況や課題、活用できる資源を可視化し、同じ街に暮らすユーザー間のコミュニケーションの活性化を促進します。将来的には、街の中にある様々なサービスとつなげることで、一人一人のライフスタイルに応じた、地域内のさまざまな生活シーンを支える「生活基盤プラットフォーム」となることを目指しています。
アプリを通じた新しい”街づくり”を
東急株式会社さまはリアルの場での街づくりを中心に行ってきましたが、近年のデジタル化の流れの中で、リアルとデジタルを融合した持続可能な街づくりの実現に向け、沿線住民とのデジタル接点構築の必要性を強く認識されています。
また、近年、台風をはじめとした自然災害の増加などにより、地域住民間の共助の必要性が高まる一方で、地域コミュニティの希薄化に対して課題意識を持たれています。
街づくり領域に強みを持つ東急株式会社さまと、デジタル領域の全般に対応するフラーの両社がこれまで培ってきた強みを生かすことで、街づくりとデジタルを掛け合わせた新たなシナジーによる事業開発が実現できるとの狙いから、今般のスマホアプリの共同開発に至りました。

みんなではじめる街づくり
「common」は、東急株式会社さまが培ってきた街づくりノウハウや地域住民・自治体とのつながりを活かして、駅を基点とした地域のデジタルコミュニティ基盤を確立することで、自律的な地域経済やコミュニティの醸成、資源の循環の促進を目指しています。
まずは二子玉川駅周辺エリアに住む人、働く人をメインターゲットにサービスを開始。2022年10月からは東急線沿線で対象エリアの拡大を始めました。
「common」は地域内のコミュニケーションを促す「投稿機能」と、資源の有効活用に役立つ「譲渡機能」の2つの機能で構成しています。 街の”今”を共有する「投稿機能」では、街の中の景色やできごと、身近な疑問や相談などを同じ街に住む人達に共有できます。これにより、街中にある“掲示板”のような役割を果たします。通常だと可視化されづらい地域に紐づく話題や課題を自然に浮かび上がらせ、地域内のコミュニケーションを促し、緩やかな共助の関係を後押しします。 自宅にある不要品を譲り合う「譲渡機能」では、ご近所同士だからこその気軽な取引を実現。地域内での資源循環に貢献します。公的身分証明書での本人確認を必須とすることで、安心・安全な取引も担保しています。 「投稿」「譲渡」の各機能の利用を通じた街への貢献活動をアプリ上で数値化・可視化。ユーザーが「同じ街にいる他者」に貢献し合うきっかけとなることで、より街を好きになるサイクルをアプリがつくります。
将来的には、一人ひとりのライフスタイルに応じた地域内のあらゆる生活シーンを支える「生活基盤プラットフォーム」となることを目指し、アップデートを進めています。

アプリに関わる事業・業務全般を支援
フラーは、単にアプリの開発だけでなく、効果的なアプリの改善や施策を行うためのデータ分析からプロダクトをユーザーに広めるためのプロモーション施策の企画提案・デザイン物制作まで、幅広い領域で戦略を共に検討し、実際の業務全般を伴走しながら進めています。
例えば、ユーザーの利用状況を把握できるデータ分析ダッシュボード。アプリの改善や有効なキャンペーンを実施するために整備しました。ダッシュボードから浮き彫りになったアプリ運営の“現在地”をもとに東急さまとフラーが定期的な振り返りを行い、具体的な数字の共通認識を持ちながらプロジェクトを進めています。
プロモーションの観点では、リアル施策向けの地域の人々へ直接届くポスティングチラシや駅構内のポスター・サイネージからに公式サイトやSNS広告まで幅広く制作を手掛けています。
リアルのプロモーション施策とデジタルのプロダクトの統一感を意識しながら、ユーザーのインストール導線の設計からデザイン物の制作までデジタル・アナログの全般を担当しています。

街の声を大切にして
住民の方々に喜んで使ってもらえるアプリになるよう、開発メンバーは実際に何度も街へ足を運び、企画を検討しています。
リリース当初からサービスを展開している二子玉川にときには1週間に渡りフラーの主要メンバーが滞在。エンジニア・デザイナー・ディレクターといった職種を問わず全員が“当事者”として街を散策したり、ユーザーヒアリングを重ねたりして、住民の方々の声やニーズを集めます。
さらに地域コミュニティづくりの成功事例を学ぶため、地域活動が盛んなエリアで視察合宿を実施。地域の方々との意見交換やディスカッションも行うなど、commonの将来的な方向性について東急さまとともに思いを馳せる機会を積極的に設けたことで、企画開発のさらなるブラッシュアップに取り組むことができました。
フラーでは、常に現地に足を運びユーザーの声に耳を傾けながら共創していくことが、アプリ開発においてもっとも重要であると考えています。ヒトに寄り添うデジタルを多くの方々に届けるためにも、今後も積極的に現場に足を運び、当事者意識を持ちながら取り組むことを大切にしていきます。

- プロジェクト期間
- 2021年3月 ー 継続中
- 作成したもの
- モバイルアプリ / システム管理用ウェブサイト / プロモーション媒体用デザイン制作物 / アプリ公式ウェブサイト / データ分析ダッシュボード
- クライアント
- 東急株式会社